外貨建て備品の購入

質問

米国の関係団体から、国際事業(公益目的事業)のための備品を米ドル建てで購入します。代金の半額は当期中に支払いますが、残額は翌期に支払う予定です。なお、備品は当期中に使用を開始します。その際の仕訳を教えてください。

回答

外貨建ての取引を行う場合には、取引発生時の為替レートの円換算額において仕訳を行います。その後、決済に伴って生じた換算差額は原則として為替差損益として処理をします。したがって、公益法人が外貨建ての備品を購入した場合には、次のように仕訳を行います(ヘッジ会計については考慮しておりません)。

仕訳例

【例】①備品5,000米ドルを購入した場合。購入日の為替レートは1米ドル=120円とする。

借方 貸方
その他固定資産-什器備品 600,000円
(貸借対照表/固定資産)
未払金 600,000円
(貸借対照表/流動負債)

※5,000米ドル×@120円=600,000円

【例】②上記の備品代金について、半額(2,500米ドル)を支払った場合。支払日の為替レートは1米ドル=110円とする。

借方 貸方
未払金 300,000円
(貸借対照表/流動負債)
普通預金 275,000円
(貸借対照表/流動資産)
  為替差益 25,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

①未払金の取引発生時の為替レートは1米ドル=120円なので、未払金の減少額は300,000円(2,500米ドル×@120円)。

②支払時の為替レートは1米ドル=110円なので、普通預金の減少額は275,000円(2,500米ドル×@110円)。

③為替差益は①と②の差額(300,000円-275,000円=25,000円)


【例】③残額(2,500米ドル)の支払いは翌期のため、未払金のまま決算を迎えた場合。支払日の為替レートは1米ドル=100円とする。

借方 貸方
未払金 75,000円
(貸借対照表/流動負債
為替差益 75,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

※2,500米ドル×(@130円-@100円)=75,000円

※決算時に為替差益と為替差損の両方が生じた場合の対応は下記をご参照ください。