指定正味財産から一般正味財産への振替②

質問

建物を購入するための補助金を国から受け入れました。自己資金を加えて建物を購入した場合の仕訳を教えてください。

回答

使途の指定を受けた国庫補助金を受け入れた場合には、指定正味財産増減の部において「受取国庫補助金」として計上します。この補助金を指定された使途に沿った事業や費用に充てる時に、指定正味財産増減の部において「一般正味財産への振替額」を計上します。同時に一般正味財産増減の部において「受取国庫補助金振替額」として計上します。

仕訳例

【例】①建物の購入代金に充当する目的で国庫補助金25,000,000円を受け入れた場合。

借方 貸方
現金預金 25,000,000円
(貸借対照表/流動資産)
受取補助金等-受取国庫補助金 25,000,000円
(正味財産増減計算書/指定正味財産増減の部)

【例】②上記の補助金(25,000,000円)に自己資金(25,000,000円)を加えて建物(50,000,000円)購入した場合。

借方 貸方
建物 50,000,000円
(貸借対照表/固定資産)
現金預金 50,000,000円
(貸借対照表/流動資産)

【例】③上記の建物(50,000,000円)について減価償却費(1,000,000円)を計上する。

借方 貸方
事業費-減価償却費 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)
建物 1,000,000円
(貸借対照表/固定資産)
一般正味財産への振替額 500,000円
(正味財産増減計算書/指定正味財産増減の部)
受取補助金等-受取国庫補助金等振替額 500,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

※減価償却費のうち、国庫補助金充当分に対応する金額は一般正味財産へ振り替えます(1,000,000円×1/2=500,000円)。

【参考】事業費に充当する目的で国庫補助金を受け入れた場合の仕訳。