指定正味財産から一般正味財産への振替③

質問

指定正味財産から一般正味財産へ振り替える仕訳が煩雑です。簡便的な仕訳方法はあるのでしょうか。

回答

使途の指定を受けた補助金等を受け入れた場合には、指定正味財産増減の部に計上するのが原則的な会計処理です。事業の遂行時に一般正味財産の部の事業費に計上し、同額を指定正味財産の部から一般正味財産の部へ振り替えます。原則的な会計処理については下記をご覧ください。

しかし、原則による会計処理は実務上煩雑であるため、当該事業年度末日までに目的たる支出を行うことが予定されている補助金等を受け入れた場合には、その受入額を受取補助金等として一般正味財産増減の部に記載することができます。

当該事業年度末までに目的たる支出を行うことが予定されている補助金等を受け入れた場合には、その受入額を受取補助金等として一般正味財産増減の部に記載することができる。

公益法人会計基準注解(注13)なお書き

指定正味財産増減の部に記載しないで一般正味財産増減の部に記載する方法の仕訳例は以下のとおりです。

仕訳例

【例】①当年度に支出する事業費に充当する目的で国庫補助金1,000,000円を受け入れた場合。

借方 貸方
現金預金 1,000,000円
(貸借対照表/流動資産)
受取補助金等-受取国庫補助金 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

【例】②上記の補助金(1,000,000円)を事業費(給料手当)として支出した場合。

借方 貸方
事業費-給料手当 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)
現金預金 1,000,000円
(貸借対照表/流動資産)