指定正味財産から一般正味財産への振替⑤

質問

使途を指定された寄付金を受領して、債券で運用しています(特定資産として保有)。債券の発行会社が破綻したため債券価額が著しく下落してしまい回復の見込みがありません。この場合の仕訳を教えてください。

回答

使途を指定された寄附金により取得した特定資産(満期保有目的の債券で市場価額のあるもの)について時価が著しく下落した場合には、減損損失を計上して特定資産の金額を減少させます。そして、指定正味財産から一般正味財産への振替の仕訳をします。

指定正味財産に区分される寄付によって受け入れた有価証券を時価又は償却原価で評価する場合には、従前の帳簿価額との差額は、正味財産増減計算書上、指定正味財産増減の部に記載するものとする。

公益法人会計基準注解(注11)指定正味財産に区分される寄付によって受け入れた有価証券の会計処理について

仕訳例

【例】特定資産(事業積立資産)として保有している債券の時価が著しく下落したため、減損損失20,000,000円を計上する場合。

借方 貸方
経常外費用-固定資産減損損失-特定資産減損損失 20,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)
事業積立資産-投資有価証券 20,000,000円
(貸借対照表/特定資産)
一般正味財産への振替額 20,000,000円
(正味財産増減計算書/指定正味財産増減の部)
経常外収益-受取寄附金-受取寄附金振替額 20,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)