指定正味財産から一般正味財産への振替①

質問

指定正味財産から一般正味財産へ振り替える仕訳がよく分かりません。どのような時に振り替える仕訳をするのでしょうか。

回答

特定の事業や費用に充てるために受け入れた寄付金や補助金は使途が制約されているため、他の財源とは区分して管理します。

例えば、使途の指定を受けた寄付金を受け入れた場合には、指定正味財産増減の部において「受取寄附金」として計上します。この寄付金を指定された使途に沿った事業や費用に充てる時に、指定正味財産増減の部において「一般正味財産への振替額」を計上します。同時に一般正味財産増減の部において「受取寄附金振替額」として計上します。

仕訳例

【例】①当年度に支出する事業費に充当する目的で国庫補助金1,000,000円を受け入れた場合。

借方 貸方
現金預金 1,000,000円
(貸借対照表/流動資産)
受取補助金等-受取国庫補助金 1,000,000円
(正味財産増減計算書/指定正味財産増減の部)

【例】②上記の補助金(1,000,000円)を事業費(給料手当)として支出した場合。

借方 貸方
事業費-給料手当 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)
現金預金 1,000,000円
(貸借対照表/流動資産)
一般正味財産への振替額 1,000,000円
(正味財産増減計算書/指定正味財産増減の部)
受取補助金等-受取補助金等振替額 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

【参考】指定正味財産増減の部に記載しないで最初から一般正味財産増減の部に記載する方法は下記をご覧ください。