評価差額③

質問

基本財産として満期保有目的債券を保有しています。この基本財産は、一般正味財産から充当されたものです。償却原価法を適用する場合の仕訳を教えてください。

回答

有価証券(一般正味財産とされた基本財産)について償却原価法を適用する場合、一般正味財産増減の部において基本財産受取利息を計上(加算または減算)します。具体的には次のように仕訳を行います。

仕訳例(債券金額より低い金額で取得した場合)

【例】5年満期の新発債(額面100,000,000円)を95,000,000円で期首に購入しました。その後、利金(利息)として500,000円を受け取り、期末に償却原価法を適用した場合。(この新発債は、一般正味財産から充当された基本財産)

①利金(利息)500,000円を普通預金で受け入れる。

借方 貸方
現金預金 500,000円
(貸借対照表/流動資産)
基本財産運用益-基本財産受取利息 500,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

②償却原価法の適用

償却原価法の計算…(100,000,000円-95,000,000)÷5年=1,000,000円

借方 貸方
基本財産-投資有価証券 1,000,000円
(貸借対照表/固定資産)
基本財産運用益-基本財産受取利息 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

仕訳例(債券金額より高い金額で取得した場合)

【例】5年満期の新発債(額面100,000,000円)を105,000,000円で期首に購入しました。その後、利金(利息)として1,500,000円を受け取り、期末に償却原価法を適用した場合。(この新発債は、一般正味財産から充当された基本財産)

①利金(利息)1,500,000円を普通預金で受け入れる。

借方 貸方
一般正味財産への振替額 1,500,000円
(正味財産増減計算書/指定正味財産増減の部)
基本財産運用益-基本財産受取利息 1,500,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)

②償却原価法の適用

償却原価法の計算…(100,000,000円-105,000,000)÷5年=△1,000,000円

借方 貸方
基本財産運用益-基本財産受取利息 1,000,000円
(正味財産増減計算書/一般正味財産増減の部)
基本財産-投資有価証券 1,000,000円
(貸借対照表/固定資産)